<広島0-4中日>◇17日◇マツダスタジアム

 山井に続いた!

 中日中田賢一投手(28)もマツダのスコアボードに9個のゼロを並べた。プロ3度目の完封勝ちで、落合竜は2試合連続の完封劇だ。前回登板が雨で流れ、中12日と間隔があいていたが、148球の熱投で先発ローテの座を死守した。落合監督も「きょうは中田ですよ」とヒーローを絶賛。これで再び貯金3。04年の落合政権誕生以来、7年連続勝ち越しでの前半戦折り返しに王手をかけた。

 汗だくのユニホームが熱投のあかしだった。中田賢が初登板のマツダで今季初完封。今季最多の148球を投げ、16日の山井に続き、2試合連続の完封勝ちを演じた。

 「山井さんに続こうとは思っていたけどきょうは出来すぎ。(完封)できるとは思っていなかった。きょうはあんまりいいところはなかったけど、最後まで粘って投げられた」

 広島打線に与えた安打は8本。毎回のように走者を背負った。だが、与えた四球は2つだけ。突然乱調になる“暴れ馬”の手綱だけはしっかりと握り続けた。9回には1死一、二塁のピンチを背負い、マウンドに駆けつけた森ヘッドコーチに続投を志願した。

 「きつかったけど、最後は気持ちで投げました」。石原、代打ヒューバーと立て続けに空振り三振に仕留めると、普段はクールに徹する表情を一変させ、力強いガッツポーズで喜びを爆発させた。

 先発ローテの中での位置付けは4、5番手。後半戦も先発に居座るためにも、絶対に負けられない試合だった。4日に先発し、13日に岐阜のヤクルト戦で先発する予定だったが雨で流れた。中12日での先発となったが「間隔が空くと打者の内を突けなくなる」と、ブルペンでインコースを意識して投げ込んだ。「形になった」と、完封につながった対策に納得した。

 8連戦の4戦目。1、2戦目に中継ぎ陣が大量投入されていただけに、山井に続く連続完封、完投はチームにとってもありがたい。「できるだけ長く投げて、中継ぎ陣に負担を掛けないようにと思っていた」と、9回を1人で投げきったことに満足していた。

 落合監督は「ボールに力があって、ある程度のコントロールがあれば、そんなにはやられない。8本(ヒットを)打たれても、無駄な四球を出さなければ点にはならない。きょうは中田ですよ」と前日の山井に続き先発投手を絶賛した。

 これで貯金も3に戻り、折り返し前の前半戦勝ち越しに王手をかけた。「きょうのような投球はなかなか難しいが、0失点に近い投球をしていきたい」。吉見、チェン、山井に続き、中田賢も準備完了。後半戦でのG追撃に向け投手陣が出そろってきた。【福岡吉央】

 [2010年7月18日11時40分

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