<巨人3-3ヤクルト>◇1日◇富山

 スコアボードの時計の針は午後11時に差しかかろうとしていた。3-3の同点で迎えた12回裏の巨人最後の攻撃。代打の谷が見逃し三振に倒れ、今季初の引き分けという結果に終わった。2年ぶりの「北陸シリーズ」。金沢に続き、富山のファンにも勝利を見せることはできなかった。それでも、原辰徳監督(52)は「よく粘ったと思う。9月は勝負の月ですし、いいスタートが切れたと思います」と、前向きに受け止めた。

 好調ヤクルト打線の猛攻を耐え抜いた。同点に追いつかれてからはピンチの連続。何度も土俵際まで攻め込まれたが、勝ち越し点は許さなかった。投手陣が3点以内に抑えたのは実に8試合ぶり。背信投球が続いたクルーンも移籍後最多の39球を投げ、2イニングを無失点に抑えた。原監督も「(内容より)0点に抑えたことが重要」と評価した。

 一方で、厳しい現実もある。三つどもえで優勝を争う首位阪神、3位中日はともに勝った。巨人にとっては痛い引き分けであることに違いはない。試合時間は今季最長の4時間56分。この夜の死闘を価値あるドローにできるかどうかは、今後の戦いにかかっている。【広瀬雷太】

 [2010年9月2日10時25分

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