ソフトバンク本多雄一内野手(25)が「足」で頂点へと突っ走る。リーグトップ59盗塁の西武片岡が22日に出場選手登録を抹消され、2差で追う盗塁王争いにチャンスが到来した。逆転優勝がかかり、極限の緊張感の中で戦う残り3試合にも「失敗を恐れるより攻める姿勢が大事」と積極的な走塁を誓った。

 自身初のタイトル奪取も視界に入っている。「片岡さんがああいうことになったけど、あまり意識しないようにしたい。もちろん(盗塁王は)とりたい気持ちはありますけど」。個人プレーに走るのは厳禁だが、走者が進塁すればチームにプラスとなるのは明らか。ホークスでは73年島野育夫以来37年ぶり5人目となる60盗塁にもあと3個と迫っているが「今までと変わらずやれば数字はついてくる」と自然体で臨む。

 チーム屈指のロッテキラーでもある。ロッテ戦では対戦打率3割4分、得点圏打率4割7分4厘と抜群の好相性を誇る。「チームとしてもロッテに(14勝9敗と)勝ち越してるし、自信を持っていける」と鼻息を荒くした。

 記録的な「爆走軍団」を引っ張る。ここまでチーム145盗塁は12球団でもぶっちぎりのトップ。本多以外にも川崎、松田、長谷川、城所と計5人が2ケタ盗塁をマークしている。ホークスでは64年以来46年ぶりとなる150盗塁到達も見えてきた。

 本多の脳裏には、秋山監督の言葉が刻み込まれている。「受け身になるとやられてしまう。攻める気持ちでいかないと」。貪欲(どんよく)に次の塁へ、そして栄光のゴールへ。背番号46が最後の最後まで走りまくる。

 [2010年9月23日11時52分

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