ソフトバンク斉藤和巳投手(32)が2日、球団から育成契約を打診されていることを初めて明かし、心境を口にした。2軍練習が行われた福岡市内の雁の巣球場で、小林至取締役(42)と約40分、会談。「そういったことも含めて、いろいろ話しをさせてもらっています」と話した。

 8月中に球団から打診されたようだが、これまで一貫して口を閉ざしてきた。2度の沢村賞に輝いている右腕にとって、育成選手としての再スタートは簡単に受け入れられるものではない。ただ、拒否すれば自由契約での退団、現役引退の可能性も出てくる。3年間実戦登板がなく今後も未知数なだけに、獲得に乗り出す球団があるかどうかも微妙だ。心境は変化したかと問われると「一番初めにそういうことを話した時に比べて」と、軟化していることも認めた。

 斉藤はチームへの愛着について「めちゃくちゃある。このチームしか知らないし、成長させてもらった。愛着は人一倍ある」と、15年間在籍するホークスへの愛情も口にした。

 今年2月に3度目の手術を受けた右肩が順調に回復していることもあり、4日からは約8カ月ぶりにキャッチボールを再開する。「あまり(交渉を)のばしたくないし、次のステップに全力を注げる形にしたい」。沢村賞右腕の決断に、注目が集まる。

 [2010年10月3日10時42分

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