阪神城島健司捕手(34)が、真弓明信監督(57)から究極の特権を与えられた。左ひざ手術からの退院から一夜明けた13日、地元九州でリハビリを開始。試合出場に6カ月を要する城島に、指揮官は「確実によくなる方法で」と自己流調整を容認。必要ならばキャンプ回避の個別トレ、海外単身キャンプも認める。

 すべては1日も早い復帰のために-。城島が、退院から一夜明けて、地元九州でリハビリを開始した。9日に「左ひざ半月板損傷に対して半月板縫合術」を行って、前日12日に退院。試合出場まで6カ月を要する手術からの復帰に向けて、すぐさま動きだした形だ。

 「来年の開幕戦には元気な姿をファンにお見せできるように、最高のパフォーマンスができるように、しっかりとリハビリに励みたいと思います」

 退院に際しての言葉を実現させるための努力だ。

 常川チーフトレーナーは城島のリハビリについて「もう始まっていますよ。グラウンドに出てくるまで待っていてください」と説明。吉田バッテリーコーチは「焦らないで早く帰ってきてほしい」と期待した。

 真弓監督も、5月中旬の復帰時期を少しでも早めるために、城島に対してフリー特権を与える。球団では08年に金本が同じ左ひざ手術からの復帰に向けて、米国ロサンゼルスで単独リハビリ合宿を行った前例がある。指揮官は、城島の海外リハビリについて「可能性はあるかもしれない。確実によくなる方法でやってくれれば」と話した。本人が希望すれば米アリゾナ、ロス、ハワイでも、はたまた沖縄、西宮・鳴尾浜でも…。最適な環境での自己流調整を容認する。

 球団も最大限、バックアップする。城島のコンディションを重視するために、ファン感謝デー、球団納会などイベントの不参加を認めた。リハビリに専念できる状況をしっかり整える。

 「今、このタイミングで手術するのがベストだと判断しました」

 城島は、手術の決断が間違いでなかったことを証明するために、早くもリハビリをスタートした。そんな司令塔のために、指揮官も球団も全面的に支援する。

 [2010年11月14日11時4分

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