夫婦そろってデビューを飾った。横浜からFAでソフトバンクへ加入する内川聖一内野手(28)が11日、地元大分市内で開催された少年野球の第1回「内川聖一杯」の開会式に出席し、初めて全身ソフトバンクのユニホーム姿を披露した。一緒に会場を訪れた夫人の長野翼アナウンサー(29=フジテレビ)が急きょ、初めてウグイス嬢を務めた。フレッシュムード満点の第1歩となった。

 元気よく行進する球児たちを内川が見守る中、美声が球場に響いた。「次に行進するチームです」。だいぎんスタジアムの放送席に座り、飛び入りでウグイス嬢を務めたのは翼夫人だった。初めて夫婦そろって内川の地元大分へ帰省。夫の大会を盛り上げようと、開会式で参加チームの紹介をした。内川は「彼女はフジテレビの仕事もありますので、あくまで手伝いという形。本人は野球のこと、全然詳しくないんですよ。見ていて新鮮でした」と話した。

 翼夫人は主に報道関係の番組を担当しており、スポーツには不案内。急に決まった初めてのウグイス嬢役に、打ち合わせの時も「コーチャーズボックスって何ですか」と質問したり、野球の用語が出るたびに、大会役員から説明を受けたという。「本当に緊張しました。難しいです」と少し恥ずかしそうに言った。それでも、夫のソフトバンク移籍発表後、初の公式イベント参加に花を添えることができて満足そうだった。

 家庭では、内川が野球のことを翼夫人に熱く語ることもあるという。バットを持って内角、外角の打撃の方法について話したりもするが、夫人に専門的な野球の知識や理論を理解できるはずもない。野球についての会話はあまりかみ合わないが、逆に夫婦円満の秘訣(ひけつ)になっている。「生まれてからずっと野球をやってきましたから。野球のこと以外は分からないくらい。そこで、全然知らない人と一緒にいるのは、すごく新鮮ですよ」。

 この日、内川は初めて上下ともソフトバンクのユニホームを着用。小学生相手に始球式を行った。「いや~、意外と似合っているじゃんって思いましたよ。この大会を続けていくためにも、自分が活躍し続けないといけないですね」。ソフトバンク内川が二人三脚でスタートを切った。【奈島宏樹】

 [2010年12月12日10時25分

 紙面から]ソーシャルブックマーク