ロッテが阪神を強烈にけん制した。ＦＡ移籍した小林宏投手（３２）の人的補償をめぐって今日１０日、代表者会議の行われる那覇で、石川晃球団本部長が２８人のプロテクトリストを阪神側から受け取る予定。ある球団首脳は「万が一、高額年俸選手が残っていれば取りにいく。金本、城島、鳥谷、新井貴、（藤川）球児。１年間のグッズの売り上げを考えればペイできる」と息巻いた。実際、球団では５億円まで補強費として用意しており、阪神の出方をうかがっている。

　それでも、ロッテのスター選手獲得への動きは、けん制の意味合いを強く感じさせる。２８人の枠は選手をプロテクトしきれるものではなく、過去にも巨人工藤が横浜に移籍した例や、阪神赤松が広島に獲得された例がある。ロッテが金銭的に足元を見られないよう強気に出たのは、高額年俸選手を確実にプロテクトさせ、若手の有望株に漏れが出るのを狙っているという見方もできるからだ。

　思惑が絡み合う中、ＦＡの決着が遅れたことも最大限に利用する。人的補償の選手は、小林宏の契約締結が公示された１月２８日から４０日以内の３月９日までに決めればよく、余裕を持って選ぶことができる。ロッテとしては、オープン戦を戦いながら補強ポイントをもう１度洗い直し、阪神でリストから漏れた選手のうち、著しい成長を見せた選手を獲得に動くことも可能だ。球団幹部は「４０日間を有効に使わせてもらいます」と、即決はしない考えも表明した。

　［2011年2月10日8時20分

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