Ganちゃんが「守護神キラー」を襲名だ。広島3年目の岩本貴裕外野手(24)が24日、日南・天福球場で1時間以上の特打を行った。昨年は8月に巨人クルーンから2本塁打を放つなど、年間14発とパンチ力を証明。今日25日に日南キャンプを打ち上げ、オープン戦でも猛アピールする。

 猛練習のラストスパートでも、岩本はひたすら歯を食いしばっていた。打撃ケージでのフリー打撃を終えると、今度は三塁側ファウルゾーンへ。ふわりと浮いた緩い球を全身で何度も振り抜いた。今日25日で日南キャンプを終了するため、実質的にこの日の練習がオープン戦前の最後の集中練習だった。期待のスラッガーは充実感をにじませた。

 岩本

 結果は出ていますけど安心してはいけない。沖縄に比べて、球が飛ばなくなった。球が変わって、下半身を意識しないと、遠くに飛ばせないですから。

 外野の一角を争う立場で危機感もたっぷり。今季初実戦だった12日の練習試合日本ハム戦(沖縄)では豪快に右翼へ今季初アーチ。日南に移動した直後の16日紅白戦でも3安打の固め打ちを見せるなど、好調を維持する。今年の実戦全5試合でヒットを連ねる野手は岩本だけ。16打数8安打で打率は5割ジャストだ。

 勝負強さは試合終盤でこそ生きる。昨季は8月27日巨人戦(マツダ)の9回、クルーンから起死回生の同点2ランを放った。同29日にも再びクルーンからオーバーフェンス。強敵の守護神相手に昨季は4打数3安打5打点の好相性だった。阪神藤川からも7月20日に左翼へ二塁打をマーク。試合を決めに来るリリーフエースも苦にしていない。

 岩本

 試合の終盤は勝負のかかるところだし、そこで打つのもすごく大事。抑えをどんどん打っていければいいですよね。

 新たに「守護神キラー」を襲名するためにも、まずはオープン戦でのアピールが求められる。浅井打撃コーチは「いい結果を残しているけど、練習で遠くに飛ばせていない。(バットの)ヘッドをうまく使えるようになればいい」と指摘。キャンプの打撃練習ではトップを作ってからバットのしなりを生かして打球を運ぶイメージも大切にする。

 岩本

 紅白戦では打っているけど他のチームから打たないと…。前の巨人戦(19日オープン戦)でも、打てる球を打ち損じている。いい投手も出てくるし、そこでの対応が大事になる。

 1月13日に沖縄自主トレのため広島を出発して43日がたった。明日26日のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)からオープン戦も本格化。息つく暇もなく、一撃に魂を込める。【酒井俊作】

 [2011年2月25日10時16分

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