<中日4-0日本ハム>◇26日◇ナゴヤドーム

 責任の重さを、真っ向から背負った。日本ハム中田翔内野手(22)は、鉄仮面で失意を隠した。報道陣の問いかけにも言葉をほぼ発することなく、バスへと乗り込んだ。故障離脱の小谷野の代役で座る4番で、打線を率いたが、今季6度目の完封負けにつながった。中日の難敵左腕のチェンに「(球筋に)角度があった」と潔く負けを認め、2夜連続でまっとうできなかった悲嘆の思いに暮れた。

 自分自身を鼓舞するように、フルスイングを連発した。2打席凡退に倒れていた6回2死一塁で迎えた第3打席。カウント1-2と追い込まれたが、執念で食らいついた。やや外寄り、見逃せばボールゾーンの低めフォークに、泳ぎながらもバットを伸ばす。先っぽに乗せ、中前へと運んだ。記念すべき4番でのプロ初安打。決死のチャンスメークはしたが、ホームベースは遠かった。

 4年目、22歳には酷なほど、チェンが難攻不落だった。梨田監督は「右打者の内っかわのボールが、という感じだった」と分析するほど、右打者が内角攻めに手を焼いた。攻略のポイントになる右打者は中田、陽岱鋼の1安打ずつだけと沈黙。小谷野の穴を埋めようと打順変更された若手2人が結果は出したが、糸口はつかめなかった。

 今日27日に札幌へと戻り、翌28日の広島戦から本拠地で仕切り直す。中田が軸に座る、急造の新打線で再出発する。沈んだ心を奮い立たせ、また4番の重責と闘う。【高山通史】