<広島4-1中日>◇24日◇マツダスタジアム

 貧打は変わらず…。落合竜がリーグ戦再開初戦を黒星でスタートした。広島先発バリントンに8回まで5安打で1点止まり。好投の先発ネルソンを援護できず、終盤に逆転される典型的な敗戦パターンだ。交流戦ではセ・リーグで唯一勝ち越した昨季王者だが、最大の弱点は解消されていないようだ。

 落合竜の弱点はリーグ再開後も解消されていなかった。2回に小山のタイムリーで1点を先制したまではよかった。だが、この後、打線は2点目を奪うことができない。原因として真っ先に挙げられるのは、3番森野将彦内野手(32)に象徴される主軸の不振だった。

 3回1死一塁。森野は低めの難しい球に手を出して併殺に倒れた。5回2死一、三塁でも初球を打って遊ゴロに打ち取られた。

 「最初は打ち急いでいたというか。やはり、打てる球を打たないといけない」。無安打に終わった森野は反省を口にした。走者を置いた場面で相手投手に特別な重圧をかけることができる打者だが、この日は逆に自ら勝負を焦っているようにすら見えた。

 結局、クリーンアップ3人で記録したのは最終回に和田が放った1安打のみ。この日も5番で先発したグスマンは3三振を含む4タコだ。「ボールがよく動いていた。すごく頭のいい投手だ。日頃から集中して練習しているが、きょうは相手が悪かったこともある」。依然として打率1割4分8厘と低迷する助っ人は、相手の助っ人バリントンに“お手上げ”だった。

 試合後、落合監督は報道陣から「投手陣を責めるわけには…」と問われると「オレはだれも責めたことないじゃない。いまだかつてだれかを責めたことがありますか?」と答えてバスに乗り込んだ。奪首に突き進むはずの再開リーグ戦は黒星発進。リーグ最高の防御率を誇る昨季王者でも、リーグ最低打率に沈む打線の奮起がなければ上昇はままならない。【鈴木忠平】