阪神からトレードで移籍した楽天上園啓史投手(27)が、「古巣斬り」で開幕ローテーション入りに前進した。22日、阪神との練習試合(宜野座)に先発。3回3安打無失点と好投した。最速141キロの直球で押し「気持ちも入ってましたし、すべてにおいて力みました。その中で0点に抑えられたのはよかった」と表情は明るかった。

 佐藤投手コーチから阪神戦に投げたいか問われ「投げたいです」と自ら選んだ登板だった。「絶対に抑えて自分の存在というか、なんとか結果を出したいと思ってました」。登板前「僕はもう阪神の選手ではないですから」と話し、07年に新人王を取ったことについても「それは過去のことです」。新しい「楽天上園」を示すためにも古巣相手に打たれるわけにはいかなかった。

 前日21日は先発候補の長谷部が不安定な内容で、田中、塩見以外の先発陣は確定していない。その中での好投に星野監督は「ぼちぼちじゃないか。結果は0だからね」と話し、佐藤投手コーチも「次は長い回投げさせたいね」と目を細めた。次回も結果を残せば大きく前進できる。上園は「ここで頑張るんだという気持ちでチームの力になれたら」とチャンスを逃すつもりはない。【斎藤庸裕】