巨人山口鉄也投手(28)が偉大な記録に挑む。開幕から安定するセットアッパーは今季、登板18試合連続で無失点を継続中。横浜時代の佐々木主浩が98年に達成した、開幕から登板24試合ゼロ行進の日本記録が視界に入った。18日、久保裕也投手(31)が右肘靱帯(じんたい)再建手術を行うことが決定。ブルペンを支えチームの連勝を伸ばし、大魔神超えを果たす。

 巨人のセットアッパー山口は開幕から18試合連続無失点を続けている。あと6試合で、大魔神佐々木の開幕からの連続無失点記録に並ぶ。「いつかは絶対に取られるので気にしてないですよ。チームが勝つのが大前提です」と迷うことなく言い切った。

 緊迫した中での0行進だけに、価値はさらに増す。守護神候補だった久保が離脱し、マシソンも開幕2軍スタート。中継ぎ陣はスクランブル態勢となったが、4年連続60試合以上登板の左腕は黙々と投げ続けた。イニングまたぎも辞さず、毎試合ブルペンを支えてきた。18日の全体練習後も「体も精神も大丈夫です」と頼もしい限りだ。

 そんな山口の役割はさらに重くなる。この日、久保が手術を受けることが決まった。久保とクラブハウスで顔を合わせると「話すと気分が楽になります」と言った。これまで交わしてきた言葉を聞かれ、「まあ、いろいろと」と胸にしまった。かかる期待と重圧がより増す中、託された思いはマウンドで表現する。

 5連勝のチームは今日からソフトバンクを本拠地に迎える。昨季は4戦4敗。それでも山口は「ボールが飛ばなくなって接戦が続く。先発、中継ぎ、抑えと、みんなでしっかり抑えられるようにしたいですね」と力みはない。相手に関係なく、いつも通り-。山口は大魔神超えへの階段を上り、巨人は連勝街道を歩んでいく。【浜本卓也】

 ◆シーズン連続試合無失点メモ

 セ・リーグ記録は06年藤川(阪神)が4月15日~7月11日にマークした38試合。開幕からは98年4月4日~6月30日佐々木(横浜)の24試合が最長。この時の佐々木は危険球で退場した4月10日巨人戦以外はすべてセーブを挙げ、4月26日~6月30日に22試合連続セーブのプロ野球記録もマークしている。