守道竜が若手の底上げをAKB48方式で実施する。今秋7年ぶりに沖縄北谷で復活する秋季キャンプが、少数精鋭の若手野手だけで行われることが6日、分かった。その数、わずか10人程度。陣頭指揮を執る高木守道監督(71)ら首脳陣は、AKB48の「神7」をもじり、来季期待の若竜の「神10」を選んで参加選手を決定する。

 選ばれてうれし涙、落選して悔し涙。この秋の若竜たちに、AKB48の選抜総選挙のような光景が展開されるかもしれない。若手野手限定で行われる秋季キャンプのメンバーはわずか10人程度。井上打撃コーチは「神7ならぬ神10。まさに選抜だよ」と表現した。AKB48の「神7」になぞらえ、若竜の「神10」を選抜して参加メンバーを決める方針だ。

 若手の底上げを目指し、秋季キャンプを復活させた経緯がある。今季も和田や井端、荒木、森野らを脅かす選手が台頭しなかった。そこで高木監督が打撃コーチと協議。ここ6年間自宅通勤のナゴヤ球場で行っていた秋季練習を改め、朝から晩まで徹底的にしごくキャンプ復活が決まった。

 井上コーチは「若いから選ばれると思ったら大間違い。強化指定方式でやる」と予告した。1人当たりの打ち込み量を増やして濃密な時間を過ごすため、特に期待する少人数だけを連れて行く。「神10」から漏れた若手は、投手陣と同じナゴヤ球場での秋季練習を命じられる。今季成績や8日開幕のみやざきフェニックス・リーグでのアピールが最後の判断材料になる。

 現状で、前田敦子や大島優子級の当確は、18歳のドラ1高橋周だ。今季1軍でこそ壁に当たったが、ウエスタンではいきなり本塁打王(7本)に輝いた。この日登録を抹消され、CS出場もなくなったが、来季、定位置取りへの期待は大きい。そして高木監督が「打ち方も考え方も一度、全部バラバラにしてやり直さなアカン」とゲキを飛ばす堂上兄弟。平田、松井佑、福田らも入りそうだが、残り枠の選抜は混戦もようだ。

 日本シリーズ進出の可能性があるため、詳細は未定だが、11月下旬までの2~3週間を予定。果たして沖縄行きの「神10」は誰か。CSを前に来季へ向けた内なる戦いも始まっている。

 ◆神7(かみセブン)

 AKB48のファン用語。09年の第1回、10年の第2回の選抜総選挙で1位から7位のメンバーが変わらず、群を抜く人気だったことから名付けられた。大島優子、前田敦子、篠田麻里子、板野友美、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜の7人。ただし、11年の第3回選抜総選挙では、板野が上位7人から転落。代わって柏木由紀が3位に浮上した。今年も上位7人は変わっている。