日本ハム中田翔内野手(23)が、ダルビッシュ有投手(26=レンジャーズ)の激励を胸に、今日17日から始まるソフトバンクとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(札幌ドーム)に挑む。16日、日本ハムが練習を行っている札幌ドームにダルビッシュが電撃訪問。中田をはじめ、昨年までのチームメートにエールを送った。中田は「ダルさんに認められるように頑張りたい」と決意も新たに、3年ぶりとなる日本シリーズ進出を目指す。

 真っ黒に日焼けした肌に、威圧感たっぷりの髪形は右半分をツーブロック、左半分をそり上げたモヒカン風の自称「中田カット」。斬新なヘアスタイルで札幌ドームに現れた中田は、決戦へ向けて高まる思いを全体練習にぶつけた。「プレッシャーはもちろん、ある。でも、それに打ち勝っていかないと日本一はない。プレッシャーが大きい分、4番としてすごく楽しみ」。4番として初めて迎える大一番に胸を躍らせた。

 ロッカールームでは、予想外の人物から激励を受け、パワーをもらった。兄貴分として慕っていたダルビッシュがこの日、札幌ドームを電撃訪問。球団関係者によると「みんなに会いたい」とダルビッシュ側から申し入れがあったというが、当日まで日本ハム側に事前連絡はなし。前エースの“アポなし”訪問に、昨季までバッテリーを組んでいた鶴岡は「こんな大事な時期に邪魔すんなよ」と苦笑いだったが、中田は「もう、世界のダルさんだからねえ」と愛のこもったサプライズを歓迎した。

 中田

 (ダルビッシュとの会話は)「しっかりやれよ」と、その一言ですね。今年はテレビで見ることの方が多かったので、不思議な感じ。お世話になっているので、ダルさんに認められるように、もっともっと頑張りたいって思った。

 2年前に「(日本記録の)56本塁打するまで認めない」と叱咤(しった)してくれた兄貴へ、成長した姿を見せる大チャンス。逃す手はない。

 2位だった昨年は、ファーストステージで3位西武に2連敗して終了。「去年は1勝もできないまま、あっという間に終わってしまってファンに申し訳なかった。日本一にならないと」。レギュラーシーズン144試合で4番を務めた背番号6。ポストシーズンで、いよいよ4番打者としての真価が問われる。【中島宙恵】