ライバルはメジャー!!

 移籍先を探している福留孝介外野手(35)が、国内なら阪神を選ぶ可能性が高くなった。4日、岐阜県内でのゴルフコンペに参加し、阪神ファン、甲子園への好印象を口にした。関係者の話を総合すると、米大リーグから決定的なオファーが届かなければ阪神を選ぶ可能性が高いという。米国のウインターミーティング終了後の7日(日本時間8日)にも結論が下される。

 争奪戦の渦中、福留が初めて公の場で口を開いた。岐阜県内のゴルフ場で、中日山崎主催のゴルフコンペに参加した後、時折、笑顔を見せながら阪神と、阪神を取り巻く環境への好印象を語った。

 「すごく一生懸命にお話ししていただいている。ただ、今の段階で(オファーが)すべて出そろっているかというと、出そろっていない。いろいろなことはあるでしょうが、今、お話しする段階ではないと思います。あんまり長くするつもりもないし、まわりの方々にご迷惑がかからないようにと思っています」

 結論はウインターミーティング後になるという方針は崩さなかったが、11月28日に中村GMと初めて対面交渉した阪神の誠意を感じていることを明かし、できる限り早めに答えを出すことを明言した。関係者の話を総合すると、メジャーから決定的なオファーが届かない限り、国内では阪神を選ぶ可能性が高いという。同ミーティングが終わる日本時間7日まで、阪神にとってライバルは、米大リーグということになりそうだ。

 福留はさらに阪神というチームの印象を問われると、こう語った。

 「日本でプレーしている時には選手もそろっていたし、勢いのあるチームだった。甲子園でやっている時はすごく嫌な雰囲気もあって、今のチームを見てないので何とも言えないけど、僕がいる時は少しでも気を抜いたらやられるというのを感じていました」

 ライバルとして優勝争いを演じた阪神の底力を肌で感じていた様子だ。また、熱狂的なファン、聖地・甲子園についても限りなく好印象を抱いていることを明かした。

 「声援の勢いで(いいプレーをする)という選手も何人かいた。大変な部分もあるだろうけど、すごくいい風に働いているんじゃないかなと見ていました。甲子園は土と芝、すごく手入れをされていて、アメリカでもなかなかない、すごくいい球場だと思います」

 07年までプレーしていた中日では敵地・甲子園で右翼を守った。強烈なやじを背中に浴びながら、虎党の声援がどれだけ阪神を後押ししているかを実感していた。また、甲子園のプレー環境も抜群だった。

 DeNA、メジャーとの争奪戦で、残すライバルは海の向こう…。徐々に決断の時へと向かっている福留の心境。阪神にとってはやきもきしながら、吉報を待つことになる。