<広島0-4阪神>◇7日◇マツダスタジアム

 広島は今季5度目の4連敗で借金は今季ワーストの12となった。阪神藤浪に白星を献上し、新人投手の先発試合は、3勝9敗1分け。今季6度目の0封負けでは、エース前田健でもなすすべはない。不振の4番ブラッド・エルドレッド内野手(32)に代わって、新外国人キラ・カアイフエ内野手(29=ダイヤモンドバックス3A)の1軍昇格を決め、停滞する打線に大なたを振るう。

 前田健は1球に泣いた。6回1死走者なし、鳥谷への初球だった。ド真ん中へ抜けたスライダーを、見逃してはもらえなかった。右中間への大飛球は、阪神戦31イニングぶりの失点となる本塁打となった。

 前田健

 逆球だったけど、失投を完璧にとらえられた。鳥谷さんに、失投してはいけない。

 悔やまれる1発が、決勝点になった。7回途中で、一時的な豪雨に見舞われ試合は62分中断。6回0/3で降板を余儀なくされた。試合再開後も流れが変わることはなかった。それどころか、9回にミコライオが1死一、三塁から坂に左前適時打を浴びるなど3点を失い、勝負は決した。

 野村監督

 1点で辛抱していったけど、ミコライオがああいう感じになったから。流れが悪いというか、言いようがない。

 深刻なのは打線の停滞ぶりだ。この3連戦で、クリーンアップは34打数3安打。指揮官は「軸になる人が打てないと苦しい」と、6回2死一、二塁の好機に一邪飛に倒れるなど、18打席無安打のエルドレッドの2軍降格を決めた。代わりに1軍昇格するのは、新外国人のキラだ。右肩に不安を抱えているが、1軍が今季6度目の0封負けを喫する中、ウエスタン・リーグ、オリックス戦(高槻)で東野から本塁打を放つなど4打数3安打2打点の大暴れだった。

 野村監督

 日本人選手にないものを補ってほしい。点が取れないから、起爆剤になってほしい。

 CSライン争いは、3位中日から最下位のヤクルトまで1ゲームの間に4チームがひしめく大混戦。9日からはDeNA、ヤクルトとの6連戦。今度こそ、抜け出す。【鎌田真一郎】