<阪神3-2DeNA>◇12日◇甲子園

 阪神ランディ・メッセンジャー投手(31)が熱気あふれる119球でチームトップタイの8勝目だ。立ち上がりは悪夢だった。初回。先頭の荒波に四球を与えると、山崎にバスターエンドランでの右前打を浴び一、三塁。続くモーガンの内野ゴロであっさりと先制を許した。その後ブランコ、石川にも安打され、いきなり2失点。「始まり方は信じられないと思いました」と振り返るほどだったが、踏みとどまった。

 直後に打線の援護を受けると息を吹き返した。2回以降は0行進。8回になっても150キロをマークする馬力で、最後は2死一、二塁で中村を右飛に打ち取った。8回9奪三振の力投。最後は加藤、福原に託し、勝利をベンチで見届けた。

 メッセンジャーの担う重責は、今後大きくなるばかりだ。中西投手コーチは試合後、能見と並び投手陣の柱として期待を寄せる右腕について「もう1回ベンチに入れるよ。最後の巨人戦だ」と、中4日で17日巨人戦にベンチ入りし、リリーフ待機させるプランを明かした。榎田が先発予定の同戦でスクランブルに備え、万全を期す考えだ。メッセンジャー自身も「巨人相手に投げたいという気持ちは、シーズンの最初からずっとあった」と、まだ今季は登板のない頂上決戦に闘志を燃やした。

 熱い男は好物のラーメンも熱さにこだわる。夏が近づき、暑くなっても「冷たいヌードルは食べたくない」と言い張る。「ヌードルは熱くないといけないんだ」と、独特の論理を熱い口調で語る。この日、首位巨人が敗れゲーム差は2・5。熱い助っ人がフル回転で、真夏の決戦に備える。【山本大地】