<ソフトバンク3-5オリックス>◇24日◇ヤフオクドーム

 このタイミングで辛口指導せざるをえない現実が厳しい。ソフトバンク秋山幸二監督(51)は大きなため息と一緒に不満を吐き出した。「投げっぷりが良くない。どういう投球をしたいというのがあやふや。バッテリーも含めて、打者をどう抑えるかに集中して投げる-。その辺が弱いんじゃないか」。

 敗戦投手の寺原をやり玉に挙げた。6回を投げ2試合連続の被安打10で4失点。すべて2死からの失点だった。1回は2死一、二塁からの暴投でそれぞれ進塁を許し、直後、バルディリスと原拓の連続適時打で2点を先制された。5回は2死走者なしから再びこの2人の連続長打で失点。「追い込んでからの決め球が結果的に甘かった。球自体は悪くなかったけど、それ以前の問題。勉強不足です。もう遅いけれども、今年の傾向をスコアラーに出してもらいます」。寺原も反省のため息をついた。

 秋山監督は5回終了時にベンチで細川に配球指導したようで、6回の寺原は直球で押しまくり3者凡退。

 「6回はな(良かった)。言わないとしないのはおかしい。1回やられたら生かさないと。一番大事な1試合1試合なんだから。(対策を)やって打たれるのはいいけどしなくて打たれるのは。そういう年齢でもないでしょう」

 力を認めるから、突き詰めない姿が物足りなく感じ、苦言を呈した。高山投手コーチはCSの先発を「勢いのある人が大事」と言うだけに、寺原自身は“CS圏外”の危機だ。またチームはこの敗戦で優勝の可能性が完全に消えた上、4位西武には2ゲーム差に迫られた。「(V逸は)しょうがない。あと9試合全力で戦うしかない」。指揮官はファイティングポーズをつくるものの、どうもチーム全体に勢いが足りない。【押谷謙爾】