新4番候補ゴメスに太鼓判でオマっ!

 阪神の新助っ人で獲得が決定的となっているマウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)が、今日22日にも正式契約を結ぶ。21日に渉外担当者とオマリー打撃コーチ補佐(52)がロサンゼルスに向け渡米。オマリー打撃コーチ補佐はハングリー精神たっぷりのパワーヒッターの虎での活躍を約束した。万全のサポートを受け、満を持して「虎のゴメス」が誕生する。

 ゴメスが豪快なアーチをかっ飛ばし、虎党を喜ばせる姿が目に浮かぶ。オマリー打撃コーチ補佐は、そう言わんばかりに太鼓判を押し、交渉のテーブルが待つ米国へと向かった。「ビデオで見ると、みんないいバッターに見える。去年見たときに、いい選手だなと思っていた。日本に来ることができる選手の1人じゃないかな」。実際にプレーしているところを生で見たことがあるという。虎の4番候補は、日本で首位打者を獲得した同氏のお眼鏡にかなう実力の持ち主のようだ。

 ゴメスは、メジャーで37試合出場という実績しかない。わずか2本塁打…。それでも、オマリー打撃コーチ補佐は、心配無用と言い切った。「メジャーで毎日出ていたわけではない。チャンスがあるなら毎日試合に出て、さらにいい選手になると信じている」。出場機会に恵まれなかった米国での鬱憤(うっぷん)を晴らせば、パワーヒッターがさらに成長していくと見込んでいる。バース、フィルダー…。過去、虎で成功した大砲には、メジャー経験が少ないという共通項がある。大事なのは、ハングリー精神。ひのき舞台をなかなか踏むことができなかった“腹ぺこ助っ人”は、虎でおなかいっぱい大暴れするはずだ。

 もちろん、異国での活躍のために全力でサポートする。今日22日にも交わす正式契約直後には、自身がプレーした経験を交え、助っ人目線で日本の野球について伝授する。同時に主なセ・リーグ他球団の映像データも渡される見込みで、目と耳で「野球」を感じられるよう手配する。安芸キャンプで若手選手に繰り広げられた「オマリー塾」が、ロサンゼルスの地で早速開かれる。昨オフに獲得し、虎史上初のゼロ打点に終わったコンラッドの二の舞いは演じない。早い段階から始まった新4番候補の獲得に満を持して終止符を打つ。【池本泰尚】

 ◆マウロ・ゴメス

 1984年9月7日、ドミニカ共和国生まれ。03年レンジャーズと契約。10、11年ブレーブス傘下を経て12年レッドソックスに移籍後メジャー昇格し、37試合で2本塁打。今年4月にブルージェイズ傘下、9月にナショナルズ傘下にそれぞれ移籍。一塁のほか三塁手としても出場経験がある。188センチ、104キロ。右投げ右打ち。