<ソフトバンク5-1楽天>◇6日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが、東浜巨投手(24)の粘投で5月16日以来の首位を奪った。汗だく右腕は「よく1点で収まったのかなと思います」と息をついた。6回1失点で今季2勝目。7安打を浴び、3四球。2回以外は毎回走者を出しながらも内野ゴロ間の1失点だけ。115球を費やしながらも6回を投げきった。

 約15センチの「移動」が復帰後2連勝の要因だ。前回6月29日西武戦から、投手板の立つ位置を中央やや三塁寄りに変えた。今までは三塁側の端だった。「右打者の内角を投げきれなかったので、ファームにいる時に変えました。内角へ投げやすくなりました」。

 5回、1死一塁では4番ジョーンズへ内角直球を続けて追い込み、最後は内角低めに落ちるツーシームで空振り三振を奪った。内角へ自信を持って投げられるからこそ強気の勝負ができた。加藤投手コーチも「今日は内角を突けていた。アグレッシブな投球だった。精神的にも強くなっている」と褒めた。

 秋山監督は「粘り強く投げた」と褒めたが「(回の)先頭を出すことが多い」と課題も挙げた。東浜本人も「決め球が甘かった。1球で仕留めないと」とファウルで粘られたり、高めに浮く球が多く、球数が増えたことを反省した。

 試合後は本拠地ヤフオクドームのお立ち台に初めて立ち大歓声を浴びた。奪首で8日からのオリックスとの首位攻防につなげた右腕は「次は完投したい」と次回9連戦中の先発で、中継ぎを休ませる快投を誓った。【石橋隆雄】