<オリックス10-4ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪

 首位ソフトバンクがエースの誤算で足踏みした。優勝マジック点灯に王手をかけていた2位オリックスとの天王山第2ラウンド。先発摂津正投手(32)は今季ワースト7失点で7敗目を喫した。10被安打は自己ワーストと火だるま状態。それでも今日18日に勝つか引き分けでマジックが点灯する。優位な状況に変わりない。切り替えていくバイ!

 摂津は中前への勝ち越し打を許すと、思わず小首をかしげた。四死球が絡んだ6回1死満塁のピンチ。カウント1-1から伊藤に投じた3球目は、得意のシンカーが真ん中に入った。「同じ球を2回打たれた。申し訳ない。それだけです」とチームメートに謝罪。3回の2失点も、1死から伊藤にシンカーを打たれた左前打がきっかけだった。

 リードされると歯止めがきかなくなった。2死後には安達に浮いたカーブを左前に2点適時打。糸井にも初球の真ん中シンカーを右翼線に運ばれる適時二塁打。沢村賞右腕らしくない制球ミスが続いた。1試合7失点は昨年9月21日のロッテ戦以来。1イニング5失点も今季初だった。前日16日に完封した大隣に続けなかった。秋山監督は「フォアボールだろうな。大事にいきすぎたんだろうけど」と、1死一、二塁から駿太に与えた四球が、大量失点の原因と分析した。

 相手エース金子との対戦は今季3度目で、ここまで1勝1敗だった。格闘技やボクシングで「ラバーマッチ」と言われる決着戦は壮絶なKO負け。8月15日の初顔合わせは右手親指に打球を受けてわずか10球で降板。そんな悪夢を拭えなかった。勝つか引き分けで優勝マジックが点灯する試合で力みが入ったのか。加藤投手コーチは「試合前のブルペンからはそれは感じられなかった。よく辛抱したけどね。切り替えるしかないよ」と、責めることはなかった。

 オリックスに意地を見せられ、再び3・5ゲーム差に戻った。ただこの1敗で、最短優勝は23日に先送りとなり、同日からの楽天4連戦で本拠地胴上げのチャンスが生まれた。長かったシーズンもいよいよ残り10試合。目指すべきゴールは、すぐそこまで迫っている。【大池和幸】

 ▼首位ソフトバンクは2位オリックスに敗れたが、今日18日にも優勝マジックナンバーが点灯する。条件は勝てばM7、引き分けでもM8が出る。また、現日程での最短V決定は23日。ソフトバンクが18日から○○○○でオリックス●●●●、さらにソフトバンクが23日楽天戦○なら、同日のオリックスの結果に関わらず優勝が決まる。