来季続投の決まった阪神和田豊監督(52)と球団の間で「緊急組閣会議」が行われる。和田監督は今日10日、坂井信也オーナー(66=電鉄本社会長)から正式に要請を受け、来季続投が発表される。球団は内閣改造を和田監督と相談しながら進める方針で、すでに球団案作成に着手。入閣候補に佐々木誠氏(49=NTT西日本監督)や、金本知憲氏(46)ら03、05年優勝メンバーが浮上していることが判明した。

 甲子園でCSが開幕する前に、和田監督の去就問題が決着した。今日10日に坂井オーナーが甲子園を訪れて、正式に続投を要請する運び。それでも、来季へ向けた動きは待ったなしだ。続投が正式決定すれば、すぐに指揮官と球団で「緊急組閣会議」が行われるという。

 「そのままというわけにはいかないでしょう」

 電鉄本社首脳は内閣改造の必要性を強調した。広島との競り合いを制し、2年連続2位となったものの、巨人に3連覇を許したのは厳然たる事実だ。巨人に匹敵する戦力を誇りながら、なぜ、勝てなかったのか。和田監督の続投は決めたものの、さらにチーム力を強化するためにスタッフのテコ入れを図る方針は本社、球団とも揺るぎない。

 現場はCSへの準備があるため、和田監督と球団の話し合いも時間的に限られる。本格的な会議はCS後になりそうだが、他球団が来季への足場を固めていく中で、後れを取るわけにはいかない。そこでフロントは並行して、球団案作成に着手している。ヘッドコーチ、打撃部門のテコ入れが検討される中で、入閣候補の1人として佐々木氏が浮上している。

 佐々木氏は、今シーズン限りで社会人NTT西日本の監督を退任する。92年には首位打者に輝き、2度の盗塁王を獲得するなど走攻守そろった外野手として活躍した。99年から2年間は、阪神でもプレー。その後は米独立リーグに移籍した。引退後は古巣ダイエー(現ソフトバンク)やオリックスで指導者を経験。社会人セガサミーの監督も務めている。

 また、次期監督候補にも挙がっていた金本氏ら03、05年に優勝を経験したOBらの入閣や内部の異動など、さまざまな案が検討されている。本格的な組閣作業は、和田監督との話し合い次第となる模様。日本一を目指したポストシーズンの戦いと並行して進められていく。

 ◆佐々木誠(ささき・まこと)1965年(昭40)10月3日、岡山県生まれ。水島工から83年ドラフト6位で南海入団。首位打者1度(92年)盗塁王2度(92、94年)。93年オフ秋山幸二らとのトレードで西武移籍。98年オフ阪神に移籍し、00年退団。通算1581試合、1599安打、170本塁打、638打点、打率2割7分7厘。01年米独立リーグでプレーし引退。ダイエーやオリックスでコーチを務め、06年からは社会人野球でコーチや監督を歴任。現役時代は181センチ、85キロ。左投げ左打ち。