「アーチスト調整」で、すごみアップ!!

 阪神マウロ・ゴメス内野手(30)が、2月沖縄・宜野座キャンプを全開で迎える。キャンプインに合わせて1月下旬に来日することが11日、分かった。昨季はキャンプ合流が2月中旬にずれ込み、右膝の痛みなどで騒がせながらもギリギリ開幕に間に合った。今年は球団が組む日程通りにキッチリ来日。ドッシリ構えて、30本塁打以上の長距離砲を目指す。

 勝負事は人事を尽くして天命を待ちたいものだ。今年のゴメスはドタバタしない。きっちりと準備を整えて3・27開幕にスタンバイできそうだ。球団関係者は「1月下旬に来日する日程で決まっている。メディカルチェックも受けてからキャンプに入る流れになります」と説明した。阪神の助っ人は1月下旬に来日し、2月1日のキャンプインに顔をそろえる。ゴメスも通常の旅程で沖縄に入る。

 来日1年目の昨季は1月下旬に生まれた長女が体調不良だったため、来日は予定していた2月6日から4日遅れた。調整不足を露呈し、体調不良でリタイア。体重増もたたって右膝を痛めるなど、実戦デビューを2度、キャンセルしていた。3月中旬にようやく初実戦。それでも、オープン戦で14打数で6三振するなど、突貫工事の調整は否めず、見切り発車で開幕を迎える状態だった。

 ふたを開けてみれば、勝負強さ全開だ。143試合に出場し、109打点を挙げて打点王に輝いた。春先に周囲が抱いた不安を吹き飛ばす暴れっぷりだった。ならば、今年もキャンプはスローペースで…。とは、ならない。ドタバタ調整は大きな故障を招く可能性もある。ゆとりのあるスケジュールをこなしてこそ、2年目のジンクスも克服できるだろう。ゴメスも大活躍した1年を振り返り、冷静に課題を見つめ直す。

 昨年11月に母国ドミニカ共和国に帰国。出国前には「今年に関しては体重が重めだった。落とせば体の動きが良くなるからね」とテーマを明かし、体を絞って日本球界2年目に臨む決意をみせていた。今オフは故郷で行われるウインターリーグへの参加を取りやめて疲労回復に専念。その後はキャンプに向け、筋力トレなどを実施。「まずはしっかりと体を鍛え直して、2月のキャンプに参加します」とも話しており、体の切れも抜群な状態でキャンプインを迎えるはずだ。

 海外FA宣言していた鳥谷が9日に阪神残留を表明。実力者がそろう打線の顔ぶれは変わらないが、不動の4番はゴメスだ。和田監督も「30発は普通に超えてくるんじゃないかな」と期待すれば、ゴメス自身も「本塁打を増やしたい」と言う。もう、ハラハラドキドキとはオサラバだ。ノルマの30本塁打超えを目指す“本塁打王調整”で、2・1から豪快に発進する。

 ◆ゴメスの14年開幕前のドタバタ

 2月6日にキャンプ参加の予定だったが、1月に生まれた長女が体調不良のため入院。予定から4日遅れの2月10日に来日した。翌11日から練習に加わったものの、19日に微熱を出して宿舎で休養し、20日紅白戦も欠場。23日にはオープン戦中日戦(北谷)にチーム同行も、右膝周辺の張りで試合直前に離脱。3月15日教育リーグ中日戦(ナゴヤ)に「3番・DH」でようやく実戦デビュー。以後実戦8試合だけで開幕を迎えた。<阪神主な外国人野手2年目の始動>

 ◆バース(84年2月2日、ハワイ・マウイキャンプ)別メニューながら、一塁のほか外野でノックを受けるなど精力的。フリー打撃にも飛び入り参加し、37スイングで2本の柵越え。84年は打率3割2分6厘ながら、本塁打(27)と打点(73)の2部門は前年より成績を落とした。

 ◆オマリー(92年2月10日、安芸キャンプ)他選手より遅れてキャンプインし、初打ちで50スイング。内野ゴロはわずか2本で、他の打球は低いライナーで外野へと抜けた。92年は打率3割2分5厘を誇ったが、本塁打は前年より少ない15発だった。

 ◆マートン(11年2月1日、宜野座キャンプ)初日からチームに合流。フリー打撃64スイングで柵越え5本。広角に打ち分ける打棒健在を見せつけた。同年から採用の統一球にも動じず「打撃を変えるつもりはない」。11年は前年の214安打より少なかったとはいえ、180安打して2年連続となる最多安打のタイトルに輝いた。