ヨッ、新会長!!

 広島東出輝裕内野手(31)が15日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約交渉に臨み、1時間半のロングトークを展開した。11月下旬から選手会長に就任。交渉の席上で熱弁を振るい、老朽化してきた施設の改善などを訴えた。来季が4年契約の最終年。現状維持の1億円でサインし、気持ちも新たに上位浮上を目指す。

 責任感の強さが表れた90分間だった。東出は鈴木清明球団本部長と膝を突き合わせ、ナインの総意をぶつけた。自身の契約交渉もそこそこに、チームが戦う環境整備に動いた。

 11月25日の広島選手会納会で新選手会長に選ばれた。そこでナインから出た要望をメモに書きとめ、球団に的確に伝えた。

 東出

 個人的な契約は終わっている。球団と選手会との話をして長くなった。施設面でいえば大野や由宇球場が古くなっている。「そうなっていますよ」とね。球団が初めて聞いた話もある。

 廿日市市内の大野屋内総合練習場と山口・岩国市内の由宇練習場は主に2軍とリハビリ組(3軍)が用いている。球団側は施設の状況を確認するために現地へ赴き、改善ポイントをチェックして、来年1月に選手会側へ回答する。鈴木球団本部長も「契約の話はほとんどしていない。(改善は)できる範囲で、どこまでできるか検討する」と話した。新しい選手会長としてチーム全体をくまなく見渡す。2、3軍が最善の環境で戦うため尽力する。

 東出

 最後までチームが1つになって戦っていきたい。最後までバラバラになることなく、同じ方向を向いて戦っていきたい。そうすればいい戦いができるんじゃないか。(今年)チームとして最後まで上位と一緒に完走できなかったのは残念。何とか最後までついて行きたい。

 今季は前半戦から善戦し、8月上旬には2位に浮上した。しかし、勝負どころの9月に急激なペースダウン。結局、5位に終わってしまった。東出自身は低反発の統一球に苦しみ、4、5月は打率2割台前半にとどまった。6月以降は持ち直し、2割7分8厘でフィニッシュしたが、浮かない表情だった。

 東出

 パッとしなかったですね。何とか大きなけがはなく1年間できたけど、個人的に不満の残るシーズンだった。来季のことは、年が変われば、気持ちも盛り上がってくると思います。

 来年1月には前田健や天谷らと恒例の沖縄合同自主トレを行う予定。「白浜には定員オーバーだと言ったんだけど『雑用でも何でもする』ということなので」と笑わせた。チームリーダーの自覚も十分。熱弁を振るって、着々と戦闘態勢を整える。【酒井俊作】