<全日本クラブ野球選手権:茨城ゴールデンゴールズ8-7松山フェニックス>◇決勝◇8日◇西武ドーム

 涙、涙の逆転優勝だ。05年にタレント萩本欽一(73)が設立した「欽ちゃん球団」、茨城ゴールデンゴールズ(北関東地区)が、延長10回サヨナラで松山フェニックス(中国・四国地区)を破り、08年以来6年ぶり3度目の日本一に輝いた。サヨナラ打&勝利投手の岩田紀彦投手(33=東経大)が、最高殊勲選手賞を獲得。就任4年目の片岡安祐美監督(27)は、女性監督としては史上初めて、社会人野球日本選手権大会(11月1日~11日間、京セラドーム大阪)に出場する。

 歓喜の整列を終えた片岡監督が、グラウンドに崩れ落ちた。両手で顔を覆い、涙が止まらない。「まさか優勝できるなんて思ってなかった。みんな、大好き!」。涙声で叫んだ。

 決勝も9回に2点差を追い付きサヨナラ勝ち。初戦から4試合連続逆転で頂点に立った。立役者は片岡監督とともに、3人だけになった創立メンバーの岩田だ。準決勝、決勝で計217球を投げ、延長10回は逆転サヨナラ打を放った。「昔は元プロがいて、欽ちゃんがいて、勝って当たり前だった。今はGGってまだあるのって言われる中、優勝できた」と感激した。

 片岡監督は、10年間地元茨城で暮らし続ける。岩田は昼は電気工事の仕事をしながらプレー。05年当時、球界再編問題など暗いニュースが多かった野球界に光をともした欽ちゃん球団。“夢列車”と称したチームは、着実に走り続けていた。