<国体高校野球:日大三4-3習志野>◇5日◇決勝◇山口・ユーピーアールスタジアム

 公開競技の高校野球硬式決勝で今夏の甲子園大会を制した日大三(東京)が習志野(千葉)に逆転サヨナラ勝ちし、初優勝した。1点を追う9回2死二塁、4番横尾俊建内野手(3年)が高校通算58号となる逆転サヨナラ弾を放った。日大三は昨秋の明治神宮大会、今夏の甲子園大会を含めた3冠に輝いた。

 逆転の布石は9回の守りにあった。エース吉永健太朗投手(3年)が3者連続奪三振で流れを引き寄せた。5回に先制2ランを放っていた横尾は「あれで逆転できると思った」という。フォークボールを左翼へ運び「甲子園では我慢していたので全打席、本塁打を狙った」。小倉全由(まさよし)監督(54)は「期待を裏切らない、いい野球をしてくれた」と満面の笑み。吉永は「最後の最後に思い出になる試合ができた」と感慨に浸った。

 ◆高校野球の全国大会3冠

 日大三は昨秋の明治神宮大会、夏の甲子園に次いで国体でも優勝。新チーム結成後、明治神宮大会、甲子園(春、夏)、国体の4大会のうち3大会を制するのが「3冠」。過去には79年箕島(和歌山=神宮大会を除く3冠)とエース松坂大輔を擁した98年横浜(神奈川=4冠)が達成。箕島は国体が雨で打ち切られ4校同時優勝だったため、単独3冠は横浜以来13年ぶり2度目。