【フェニックス(米アリゾナ州)15日(日本時間16日)=四竈衛】連覇を狙う米国が、接戦の末、コロンビアを振り切り、1次ラウンドの成績を3勝1敗としてC組2位で準々決勝進出を決めた。

主将マイク・トラウト外野手(31)が全3打点を挙げる活躍で、チームの窮地を救った。4強入りをかけた18日(同19日)は、D組1位のベネズエラと激突する。

負けられない重圧の一方で、トラウトは独特の緊迫感に喜びを感じていた。所属するエンゼルスは、15年以降8年間、ポストシーズンから遠ざかっており、しびれる環境に飢えていた。「ピリピリした雰囲気になるのは分かっていた。それがプレーしたい理由のひとつ。そこに加わりたかったんだ」。前回大会の17年、初制覇して歓喜する米国ナインの姿を、テレビ画面を通して目にした際、コンディション不良を理由に辞退したことを後悔した。今回、主将の肩書を背負ったのは、熱意の表れだった。

迎えた1次ラウンド最終戦。集中力は研ぎ澄まされていた。第1打席。右中間を破るとトップスピードで三塁まで駆け抜けた。3回に先制打。5回に逆転2点適時打を放つと、一塁ベース上で雄たけびを挙げた。過去数年の公式戦では見られないような熱量だった。

依然、戦い方は不安定でも、救援陣が無失点リレーで接戦を制すなど、一体感は高まってきた。「USAの声援が聞こえ、観客席で星条旗が振られている。国のためにプレーすることは、本当に楽しいよ」。勝利に飢えたトラウトが、スター軍団を束ねて、決戦の地マイアミへ向かう。