3大会ぶり3度目のWBC制覇を達成した侍ジャパンが23日、米マイアミから帰国した。成田空港ではメジャー組4人を除く選手、スタッフらの到着を、約1200人のファンが出迎えた。日本中を大熱狂させた侍ジャパンを、日刊スポーツは2月の宮崎強化合宿から計6人の記者で密着取材を続けてきた。それぞれの記者ならではの「名場面」とは-。

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極限状態から解放された人間の本能を見た。準決勝メキシコ戦。村上宗隆は逆転サヨナラ打を決めると、真っ先に三塁ベンチから飛びだしたナインのもとに駆けた。もみくちゃにされながらも、感情を爆発させようと雄たけびを上げ、両手を突き上げた。

昨季3冠王となった23歳も、おそらく体験したことのない感情だったのではないか。その打席まで3三振。ただ、心が折れていなかったから、打てた。「ムネに任せた」。栗山監督のメッセージにも奮い立ち、壁を打ち破った。

まだ侍ジャパンの試合を見たい-。マイアミで、最強の米国と戦ってほしい-。現地で、日本で心の奥底から応援したファンの思いも乗せた一打だったはずだ。指揮官の言葉を借りれば「野球って、すげーな」。現地マイアミで、本当に“すげー”シーンに出会うことができた。【中野椋】

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