岡山市東区出身の西幕下60枚目西大司(24=入間川)が、西日本豪雨で被災した地元をおもんぱかった。桜児竜を寄り切り2番目にして初日を出したが、もどかしい気持ちは抜けきれなかった。

 「自分が育った場所のすぐそこなので本当に大変だなと」

 豪雨の影響で県内の死亡者は11日(午前11時)時点で56人に上る。実家は無事だが、近所の河川は氾濫。中心部が濁流にのまれた倉敷市真備町の中学校では、相撲部のまわしが豪雨で流された。自身の母校ではないが「心配です」と遠くを見据えた。

 地元出身の力士として勇気を与えたい。岡山県出身の力士で最後の関取は、09年7月名古屋場所で在位した元十両琴国が最後。自己最高位は先場所の幕下42枚目で簡単な道ではないが「目指してやっていく」と目線はぶれない。

 母校の岡山理大付高は野球部を中心に運動部が盛ん。同学年の野球部員と食事などで交流することも多く、1学年上でOBのロッテ藤岡裕やDeNA柴田がプロの舞台で活躍する姿を見て、刺激を受けている。面識はないが「同じ岡山県出身として盛り上げていければ」と活躍を誓った。【佐藤礼征】