差し迫った最後の“晴れ舞台”に向け、清見潟親方(元関脇栃煌山)が国技館内で奔走している。場所後の30日に、同所で自身の引退相撲が開催される。今場所中は館内の通路にブースを設けて、チラシ配りなどでチケット販売の営業に努めている。20年7月に現役引退を発表してから1年半。「去年の8月ごろからあいさつ回りを始めました。初めてで分からないことだらけです」。

公表はしていないが、本来は昨年5月に引退相撲の予定をおさえていた。コロナ禍で先が見通せず、1年以上の“延期”に。今回は観客の上限を約5000人に設定しているという。「残り何枚とは言えませんが(チケットは)まだまだありますよ」と苦笑い。場所中、ブースまで買い求めに来るファンの存在にありがたみを感じているという。

春日野部屋付きの親方として、朝稽古では力士を指導し、午後は引退相撲の営業に追われる毎日。「(新型コロナ感染対策による)行動規制もあって、多少は限られた時間での準備になってます」と明かすが「大変だからこそ、いい経験になるんじゃないかと思ってます」と爽やかに話した。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)