WBC世界女子アトム級王者小関桃(34=青木)が、17度目の防衛に成功した。同級11位日向野知恵(32=スパイダー根本)を迎え、4回36秒でTKO勝ちを収めた。

 初回から単発の左ストレートが的確に顔面を捉え続けると、回を重ねるごとにコンビネーションを増やして、終始攻勢に。「あわてずにやった」と、鼻から血が止まらなくなっても向かってくる日向野に落ち着いてパンチを当て、4回に出血がひどくなったところでレフェリーが試合を止めた。

 「1年間は長くて長くて」。昨年10月のWBA同級王者宮原との統一選後、試合が決まらなかった。強すぎて、名乗りを上げる選手がいない。階級を上げることも視野に入れていた6月に日向野戦が決定したが、「燃えるようなすごい試合をしたかったんですが…。まだキャリアーが浅い選手ということで、正直最初聞いたときは…」と本心を打ち明けた。そこからしっかりと気持ちを立て直して勝利。「負けは論外だった。苦戦してもこの先は何も言えないと思っていた」とホッとした表情を見せた。

 国内最多防衛回数を更新したが、今後については不透明。同級に相手がいない状況は変わらず、「次は階級を上げるかどうか。WBCへの愛着もあるので、2つの思いで揺れています」と述べた。