新日本プロレスや全日本プロレスで活躍した技巧派レスラーのチャボ・ゲレロさん(米国)が11日(日本時間12日)に肝臓がんで亡くなったと長男のチャボ・ゲレロJrが明らかにした。68歳だった。メキシコで名レスラーといわれた故ゴーリー・ゲレロさんを父に持ち、米テキサス州エルパソで誕生。レスラー4人兄弟の長男として父の指導の下、70年にデビューした。

 75年7月に全日本に初来日した。同じ年に米ロサンゼルスに進出し大ブレークし、トップレスラーとなった。ジュニアながらヘビー級選手をなぎ倒し人気を博した。78年6月には新日本に参戦。同年10月20日に大阪・寝屋川市民体育館で行われたWWWFジュニア王者藤波辰爾との試合は、ジュニア史上屈指の名勝負として語り継がれている。

 新日本で初めてジュニアのタイトル戦がメインになった試合だった。大流血の末、コブラツイストで勝利を収めた藤波は「ジュニアでありながら、ヘビー級でも遜色なく戦い、オールラウンダーの試合巧者だった。いつも陽気なムードメーカーで、元気な姿しか思い浮かばない。言葉もありません」と話した。

 藤波との抗争の後、80年11月にNWAインタージュニア王座を獲得。翌年8月にはベルトを持って全日本に参戦し、大仁田厚と抗争を繰り広げた。04年5月からWWEに登場。昨年11月の来日が最後となった。(デーブ・レイブル通信員)

 ◆チャボ・ゲレロ 1949年1月7日、米テキサス州エルパソ生まれのメキシコ系アメリカ人。父のゴーリー・ゲレロを始め、4人兄弟、長男もプロレスラーというレスラー一家。70年にデビューし、75年7月に全日本、78年6月に新日本に参戦した。日本では藤波、大仁田らと抗争を繰り広げ、米国ではスタン・ハンセン、ダスティー・ローデス、アンドレ・ザ・ジャイアントらヘビー級レスラーと対戦し人気を博した。全盛期のサイズは180センチ、103キロ。ジャーマン・スープレックス、ヒップ・アタックが得意技だった。