WWE傘下のNXTに所属するイタミ・ヒデオ(36)が母国で再起を誓った。14年7月のWWE入り後、記念すべき日本初登場は第1試合。1軍のロウに所属し、新日本などにも参戦したクリス・ジェリコ(46)と対戦した。

 KENTAとしてノアで活躍したが、入場時の声援は、ジェリコにかなわなかった。試合では得意のキックやエルボー、張り手を繰り出しジェリコを追い詰めた。しかし、必殺のgo 2 sleepに持っていこうとするところを、高角度逆エビ固めウォール・オブ・ジェリコにつかまり無念のギブアップ。1軍のジェリコに格の違いを見せつけられた。

 試合後は一回りも年上のジェリコに「日本でイタミと試合ができて光栄。彼はNXT王者になる」とたたえられ、ファンからも熱い声援を受けた。WWE入りしてからケガに泣き、遅れて入った中邑真輔には1軍昇格では先を越された。それでも日本のファンの声援が何よりありがたかった。

 「この3年は大きなケガもあり、ボクがWWEに入って思い描いていたものと全く違った。でも復帰するとファンの温かい声援に救われた」と話す。もがき苦しむ中で、KENTAからイタミに変わったことで「何かを変えなければ」と焦っていた自分に気がついたという。

 「自分のやれることをやっていこう。まずはNXTで自分の居場所をつくること」。5月には敗れはしたが、NXT王座にも挑戦した。イタミの本当の戦いはこれからだ。【桝田朗】

 ◆イタミ・ヒデオ 本名・小林健太。1981年(昭56)3月12日生まれ、埼玉県草加市出身。東京・修徳高時代は野球部で、99年に全日本プロレス入り。00年3月にプロデビュー。同年6月に三沢光晴が興したノアに移籍。ノアではKENTAとしてGHCジュニアヘビー級王座を獲得するなどジュニアで活躍も12年にヘビー級転向。13年1月にGHCヘビー級王座を獲得。14年4月にノアを退団し、同年7月にWWE入り。9月にWWE傘下のNXTでデビューした。174センチ、81キロ。