プロレス人生40年で7回目の引退を発表した大仁田厚(59)の分身グレート・ニタが、最後の試合に完全勝利し「海に帰る」と、改めて明言した。

 当初、ニタは、ともに東京・台場の海から10日に出現した妹グレート・タムと落武者橋本と組み、ジーザス矢口、寧々∞D.a.i、怨霊組との6人タッグマッチを行う予定だった。それが、セミファイナルで保坂秀樹と戦う予定だったリッキー・フジが急きょ、欠場。保坂が、大仁田のライバルで6月に亡くなったミスター・ポーゴさん(本名・関川哲夫、享年66)の遺志を継いだ「2代目ミスター・ポーゴ」となった。そしてニタ組にマスクマンの雷電、矢口組に2代目ミスター・ポーゴが加わっての8人タッグとなった。

 ニタは開始早々、矢口をリング下に突き落として客席に乱入すると、客席や机まで武器にするなど、半ば観客をも巻きこんだ“魔界殺法”を展開するなど、やりたい放題だった。

 試合の途中で、2代目ミスター・ポーゴが持ち込んだ有刺鉄線バットの乱打を食ったタムを助けに入り、逆に餌食になるなど苦戦したが、矢口組がリングに持ち込んだ机を逆に利用し、机の上で怨霊にパイルドライバーをたたき込み、一気に流れを引き寄せた。

 割れた机の板で矢口と怨霊をめった打ちにすると、タムと組んで寧々∞D.a.iに毒霧を浴びせた。そして最後は、椅子で殴り、フラフラになった怨霊にバックドロップをたたき込み、体固めで3カウントを奪った。

 ニタは勝利後、覚え立ての日本語であいさつした。

 ニタ さよならニタと言うことは…大仁田もさよならだと思う…。

 ニタは意味深な言葉を口にした後、「今から海に帰る。夜の海へ行く」と言い、ペットボトルの水をリング上からまき散らした。そして、リング下に殺到した熱狂的なファンの顔面に毒霧を吹き掛けた後、リングを降りて海へ向かった。【村上幸将】