「ロックスター」中邑真輔(37)が「夢の対決」を制した。

 WWE次期挑戦者決定戦で対峙(たいじ)したのは、同じ80年生まれのランディ・オートン。04年にWWE史上最年少となる24歳で世界ヘビー級王者を奪取した看板スターだ。中邑自らも03年に史上最年少の23歳で新日本プロレスの至宝IWGPヘビー級王座を獲得している。日米のメジャーマットで若手時代から大舞台に立ってきた2人のシングル初対決。WWE公式サイトも「スマックダウンの歴史の中で最も大きなメインイベントの1つ」と表現していた。

 中邑のデビュー15周年となった今年8月31日にオートンとの次期挑戦者決定戦が決まったことも何かの因縁だろう。オートン戦後、中邑は自身のツイッターで「どんどん夢がやってくるぜ」とコメントし、大きな喜びを示していた。

 試合展開も大技連発ではなく、高レベルのテクニックの攻防だった。オートンのRKOを回避。キンシャサを狙うと、オートンにパワースラムで返された。再びRKOを仕掛けられると、腕ひしぎ逆十字固めからの三角絞めで返した。この15年ほどの新日本プロレスとWWEの歴史とDNAが激突しているようなムードが漂っていた。

 大会前のオープニングVTRで、オートンから「中邑はスターだが、オレから一瞬でも気をそらせたら負けを意味する。オレがマハルから王座を奪う」と宣戦布告された。一方で中邑も「オートンの功績はリスペクトしているが、WWE王座を求めるのはオレの運命」と真っ向勝負を予告。その言葉通り、お互いの持ち味を出し切った初シングル対決で、中邑がオートンに勝った意味は大きい。