プロレスラー大仁田厚が25日、還暦を迎えた。

 大仁田はこの日、赤いちゃんちゃんこではなく、赤いライダースジャケットを身にまとって会見を開き「僕はプロレスのリングにいる時が1番、幸せを感じます。60になったという実感はないけど、現実は受け止めないと…。還暦になりました」と報告。バースデーケーキと60をかたどったクッキーをプレゼントされた。

 大仁田は会見の席上で、31日に東京・後楽園ホールで行う引退試合「大仁田厚思い出の聖地・後楽園ホール最期のデスマッチ!! ストリートファイト トルネードバンクハウスデスマッチ」でタッグを組むメンバーの変更を発表した。当初は9日に東京・台場で雷神矢口と保坂秀樹と組んで藤田和之(46)、藤田の代理人ケンドー・カシン(49)、NOSAWA論外のはぐれIGF軍に敗れ、そのダイレクトリマッチを行う予定だった。

 そこに、9日に勝っているカシンが「我々が勝った。それと同じカード。何で大仁田対藤田のシングルマッチじゃないの?」と因縁をつけた。さらに論外が15日の超戦闘プロレスFMW木更津大会で「10月31日、藤田、カシン、オレの3人でぶっつぶす。勇気があるなら1人でかかってこい!」と挑発した。

 大仁田は、論外の売り言葉に買い言葉で「1対3でボロボロになろうと、やってやる」と、ハンディキャップ戦も辞さない覚悟を示した。その非常事態に、大仁田に憧れてプロレスラーになった鷹木信悟(ドラゴンゲート)とKAI(フリー)が「最後に大仁田さんを守りたい」とパートナーに名乗りを上げた。

 大仁田は「鷹木とKAIが、オレを守るって言ってくれた。邪道伝承じゃないけど、ぜひタッグを組んで最後を飾りたい。二人の申し出を、誕生日プレゼントとして受けたい」と喜び、保坂と矢口に代わり鷹木とKAIとのタッグ結成を決意。そして2度目の対戦となる藤田に対して「有刺鉄線バットで殴りたい。格闘技には格闘技のルールがあろうが、プロレスは何でもあり。僕は弱いのを自覚してる。魂の1発で、有刺鉄線バットの痛みでぶちのめしてやる」と意気込んだ。