注目のスーパーフェザー級は森武蔵(18=薬師寺)が制して技能賞を獲得した。

 ここまでは4勝(4KO)で西軍代表決定戦MVPになり、相手のジロリアン陸(29=フラッシュ赤羽)も8連続KO中で東日本敢闘賞を獲得していた。KO決着とはならなかったが、森が3~5ポイント差の3-0で判定勝ちした。

 初回は森が右ジャブを突いていき、ジロリアンが右カウンターを狙う。森がやや攻勢も、3回にもつれたところで相手の後頭部にパンチが当たり、一時試合が中断した。再開直後に右フックでダウンを奪う。ジロリアンはスリップを主張して、右ストレートで鼻血を出させた。最終5回には森が左ストレートから詰めたがゴングとなった。なかなかハイレベルで緊張感のある一戦となった。

 森はU15全国大会で2度優勝し、15年の中学卒業翌日に故郷熊本から名古屋に向かい、知人に紹介された薬師寺ジムに入門した。プロ格闘技を目指し、小3の時には世界王者を目標にした。おやつには甘い菓子ではなくいりこや骨せんべいを食べた。中学までは鳥肉しか食べず、プロ入り後は「不摂生だから」とラーメンを食べるのもやめた。

 薬師寺会長も勝てず、ジム5戦目にして後楽園ホール勝利で、ジム初の全日本新人王。「一番ダメな試合だったがジンクスは破れた」と笑み。試合内容に「リードが少なく、左に頼りすぎた」と不満が口をついた。24年前のこの日世界王者になった会長は「素材と姿勢が違う」と褒めちぎる。森も「これが最終地点ではない。焦らずいち早く世界を目指したい」と次は4月1日に試合が決まっている。