IWGP USヘビー級王者ケニー・オメガ(34)が、WWEのレジェンド、クリス・ジェリコ(47)の挑戦を退け4度目の防衛を果たした。反則裁定なしのケンカファイトは、30分を超す大激戦。額から流血したオメガは、ジェリコのパイプ椅子攻撃や逆エビ固め、コード・ブレーカーに耐え、34分36秒、片翼の天使を決め、勝利をつかんだ。

 新日本の王者にWWEで数々のタイトルを手にしたレジェンドが挑戦するドリームマッチ。昨年はIWGPヘビー級王者オカダと45分を超す死闘で世界を驚かせたオメガが、今度は世界にその強さを証明した。「去年は美しさやプロレスの素晴らしさ、今年はプロレスの真の戦いを見せられた」と胸を張った。

 プロレスデビュー後、1度はWWEの下部組織に所属したが、自分のスタイルに合わず、日本に戦いの場を求めた。同じカナダのウィニペグという田舎町出身のスーパースター、ジェリコを夢みて自分のアイデアや激しい戦いのスタイルを貫きベルトをつかんだ。

 「ジェリコは大金を生み出すWWEのロボットになったが、自分は独創性を生かす新日本の中の自分のプロレスが世界一だと思っている」。キャリア最大の戦いを制し、オメガは言い放った。【桝田朗】