元WBO世界ミニマム級&前同ライトフライ級の2階級王者の田中恒成(22=畑中)が30日、名古屋市内で会見し、世界3階級制覇となるフライ級の世界前哨戦を3月31日に名古屋国際会議場イベントホールで行うと発表した。フライ級転向初戦で、相手は同フライ級12位ロニー・バルドナド(21=フィリピン)。田中は昨年9月13日、パランポン・CPフレッシュマート相手に2度目の同ライトフライ級王座防衛に成功したが、両目を眼窩(がんか)底骨折しており、半年ぶりの復帰戦になる。

 田中はすでにWBOで同級1位、WBCで同級4位にランクイン。「減量の影響で階級をフライ級にした。いいパフォーマンスができなければ、ただ弱かった(から階級を上げた)だけになる。今まで一番のパフォーマンスをして、KOを狙います」と宣言した。

 バルドナドはパッキャオプロモーションのホープで、11戦10勝(7KO)1分け。無敗の世界ランカーは、前哨戦や復帰戦相手としては“大物”だ。また“振り回す右のハードパンチャー”で、現WBO世界フライ級王者木村翔タイプ。畑中清詞会長(50)は「木村似か?」と問われて「そうです」と即答。現時点で、前哨戦後の照準を木村に定めて「前哨戦の戦いぶりを見てからだが、すぐ交渉に入りたい」と話した。

 田中は昨年12月31日に木村の防衛戦を生で見た。「自分は決められた試合をするだけ。もしWBOのベルトに挑戦することになれば、今回の試合をいい経験にしたい」。2月2日からは5日間、沖縄合宿を行う。今年中の、デビュー12戦目という世界最速3階級制覇へ、いよいよ本格始動する。