覆面レスラー「ザ・デストロイヤー」として日本で活躍し、昨年秋の叙勲で旭日双光章を受章したリチャード・ベイヤーさん(87)への叙勲伝達式が3日、米ニューヨーク州北部バファローで行われた。

 家族や州議会議員らが参加した式典で、在ニューヨーク総領事館の高橋礼一郎総領事が日本のプロレス振興や日米交流への長年の貢献をたたえると、覆面姿のデストロイヤーさんは「これ以上の名誉はない」と満面の笑みを浮かべた。

 その後の記者会見では、2020年の東京五輪での訪日意欲を示し「アマチュアのレスラーを指導したい」と意気込みを語った。「高校の時は、日本は敵だったが、訪日して日本が大好きになった」とも繰り返した。

 デストロイヤーさんは初来日した1963年、東京で行われた力道山との対戦で64%というテレビ視聴率を記録。日本に空前のプロレスブームを巻き起こした。

 80年代以降は同州アクロンで体育教師としてレスリング選手らを日本に派遣したり、日本からチームを受け入れたりする青少年スポーツ交流を進めた。日本発祥の「パークゴルフ」の米国での普及に努めたほか、東日本大震災の支援活動も行った。