ボクシングの日本スーパーフェザー級タイトルマッチの前日計量が29日に都内の日本ボクシングコミッション(JBC)で行われ、2度目の防衛戦となる王者末吉大(27=帝拳)が100グラムアンダーの58・8キロ、挑戦者の同級1位東上剛司(37=ドリーム)がリミットちょうどの58・9キロで一発パスした。

 「もっとはっきり勝ちたい」。末吉が期すのは、2月のV1戦での失敗から。不用意にガードをまっすぐ後退したところにパンチをもらい、ダウンを喫した苦い経験がある。結果的には8回TKO勝ちも、「余計なダウン。内容的にもぱっとしなかった。もっともっとボコボコにして勝ちたい」と意気盛ん。

 理想とする打たせずに倒すスタイルは、アマチュアも含めたさまざまなボクサーの要素を盗みつつ、オリジナルなものに昇華する途上で、「頭の中になんとなくこんな感じというのはあるけど、試合には移せていない」と追い求める。WBOの世界ランクでも7位につける新鋭は、試合内容も世界レベルを目指してリングに上がる。

 対する東上は、プロ15年目、35戦目でたどり着いた日本タイトルになる。「夢がかなう。ワクワクしている。チャンピオンになるためにこれだけ負けても続けてきた。目の前、たまらないです」と高揚感一杯。14勝(3KO)15敗5分けの成績に「勝ち負けがトントン。ドラマがあると思う。誰か1人にでも勇気を与えられたら」と期した。