UFCミドル級王者ロバート・ウィテカー(27=ニュージーランド)が意地をみせた。挑戦者級1位のヨエル・ロメロ(41=キューバ)の体重超過で急きょノンタイトル戦に変更となったメインイベント同級5分5回。圧倒した1回途中で「手が使えなくなった。ひじのあたりまで感覚がない」という負傷のアクシデントに陥った。

 2回以降はロメロに攻め込まれ、ダウンも許し、テークダウン数も上回られたが、ウィテカーも体重超過した「元挑戦者」に負けるわけにはいかなかった。追い詰められながらもミドルキックなどで応戦して踏ん張り、グラウンドで攻め込まれながらも5回を戦い抜いた。2-1の判定勝ちで勝利したウィテカーは「ヨエルはトラックみたいにぶつかってくるし、必死に耐え抜いて巻き返さないといけなかった。接戦だったから、どっちの可能性もあると思っていたけど、オレもかなり打ち込んだし、5ラウンドのうち3ラウンドは取ったし十分いけるだろうと思っていた」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

 試合後、再びUFCベルトを腰に巻くと「本当にタフな試合だったけど、これから戻ってチームと話してから、次にどうすべきか考える」と体重超過したロメロへの怒りを抑えながら王者らしい貫禄をみせた。