プロボクシングで50戦無敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が17日、都内で会見を開き、日本で現役復帰する方向で調整をしていると明らかにする一方で、自身の会社「メイウェザー・ホールディングス」と、亀田興毅(31)らが所属する協栄ジム、ローラやダレノガレ明美らが所属する芸能事務所LIBELAと共同で新会社「TMT(The Money Team)Tokyo」を立ち上げると発表した。

メイウェザーは会見で20分近くにわたって自身の今後について語ったが、内容はボクシングの復帰の話より、日本での新規ビジネスに主眼が置かれた。メイウェザーは「メイウェザー・ファンドを、日本で立ち上げているところで、その話を、ちょうど昨日、今日としていたところだ。これから事業を展開できるように頑張りたい」とビジネスに意欲を見せた。その上で日本でのパートナーシップについて「カジノの世界にどんどん、進んでいってビジネスを展開したい」と即答し、7月の国会で「特定複合観光施設区域整備法(IR法)」が成立したことを受け、日本でも議論を呼んでいるカジノに強い意欲を見せた。

メイウェザー・ホールディングス東京のブレントア・ジョンソンCEOも「カジノの世界を進め、ビジネスを展開したい」と続けた。さらに「LIBELAさんとのコラボレーションで、カジノの事業を、どんどん進めたい。2020年東京オリンピック開催地ということで、すごくポテンシャルがある」と、LIBELAとのコラボでのカジノへの進出に期待を寄せた。

一方、LIBELAの関係者も「メイウェザー・ホールディングスとTMT Tokyoとマネジメント契約を結び、メイウェザー氏の日本でのマネジメントはLIBELAが行うこととなりました」と、メイウェザーの日本でのマネジメントを担当することを明らかにした。その上でLIBELAの子会社として「TMTモデルズ」を発足させ、「日本から海外、海外から日本へのマネジメント会社を設立、運営していこうと思います」と、芸能での新たなビジネス展開も明らかにした。

さらにジョンソンCEOはジュエリー界への進出も明言し、高級時計、ブライダルジュエリーの会社「ゆきざき」ともパートナーシップを結んだことを明らかにした。「こちらの方も、どんどん展開したい。東京を第2のホームとして頑張っていきたい」などと、ジュエリービジネスにも強い意欲を見せた。

一方、メイウェザーの現役復帰、日本での復帰戦などボクシングに関わる件について、協栄ジムの金平桂一郎会長の説明は「詳細は、まだ詰め切ってないですけど、メイウェザー氏と協栄ジムが一体となってボクシング界を盛り上げていこうということは確実に決まっている」というレベルにとどまった。「当然、メイウェザー選手は世界一のボクサーであり、歴史に残っていくボクサー。1973年にモハメド・アリを日本に招聘(しょうへい)したことと並ぶ…それ以上のことでないかと」と壮大な構想を口にしたものの、話の内容は具体性を欠いた。

メイウェザーは、亀田興を横に「お隣の亀田兄弟とパートナーシップを結び、どんどんコラボレーションして、ボクシングの展開をアジアでも広げていきたい」とボクシングの展開について言及したものの、具体的な内容は乏しかった。

15日に東京・お台場で開かれたイベントで再会した、6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(39=フィリピン)との、15年5月の判定勝ち以来の再戦についても「日本でマニーとの試合があるかも知れないということで、それは今、詰めている状態」と言うにとどまり、日本での復帰戦の日程など、ボクシングの現役復帰についての話は、最後まで具体性を欠いた。【村上幸将】