1993年(平5)にK-1グランプリ初代王者となった、ブランコ・シカティックさん(63)が、肺塞栓症と敗血症で母国クロアチアの病院に入院しているものの、状態が悪くリハビリができない状態であることが18日、分かった。

シカティックさんは、K-1グランプリ93決勝で、優勝候補の一角アーネスト・ホーストを右フック1発でKOし初代王者に輝き“伝説の拳”と呼ばれた。94年12月にクロアチア独立戦争に参加するために引退試合を行い、再びホーストをKOした。その後、97年に現役復帰し、総合格闘技PRIDEに参戦するなどし、05年には東京・後楽園ホールで行われた、壮年の男性が戦う大会にも参戦した。

その後、シカティックさんはクロアチアのムエタイ協会の会長に就任し、2年前にはムエタイのアマチュア欧州大会を開催するなど、競技の普及、後身の育成などに努めてきた。その中、5年前に練習中にケガを負った際、足から菌が入り、患部が治りきらず不調が続いていたという。

シカティックさんは肺塞栓症と敗血症のほか、細菌性の炎症も発症しているといい、リハビリを行えないほど状態は悪いものの、危篤などの重篤な状態に急変する兆候は、まだ見られないという。一方で、入院している病院の設備が整っておらず、これ以上の回復が見込めない状況だという。

そこで、妻のイバンナさんと娘のルシヤさんは、シカティックさんを設備の整った病院に転院させるため、資金をクラウドファンディングで募ることを決め、クラウドファンディングサイト「Go Get Funding」内に募集ページを立ち上げた。ルシヤさんは、日本の格闘技関係者を通じ「日本のファンの皆さんにも協力して欲しい」と切実に訴えた。