王者井上尚弥(25=大橋)が2試合連続の1回KO勝利で初防衛とワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)トーナメント1回戦突破を決めた。挑戦者となる元WBAスーパー王者で同級4位のフアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)に軽い左ジャブから強烈な右ストレートを顔面に打ち込んでキャンバスに沈めた。わずか1分10秒でのKO勝ちで日本人の世界戦最速タイムを更新。世界戦連続KO記録(7戦連続)、世界戦通算KO記録(11試合)という2つの日本新記録も樹立した。その強さを元スーパーフライ級王者川島郭志氏が語った。

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井上はモンスターと言われるが、もう「ボクシングの神」と言ってもいい。ファーストコンタクトのワンツーで倒すとは。何も言うことはない。当て勘の良さに、何よりもパワーが違った。

WBSSのバンタム級出場選手の中では、パヤノはテクニックも経験もあり、くせ者だと思っていた。それが失神するほどで、まったくもたなかった。この階級ではパワーが違いすぎる。

WBSSで優勝するのは間違いないところ。優勝したら、もうこの階級で対戦してくれる相手は出てこないのではと思う。試合をするためには、もうスーパーバンタム級に上げるしかなく、それでも相手が出てこないかもしれない。

パウンド・フォー・パウンドは階級を超えて最強を決め、軽量級でも高い評価を与えるもの。井上にこそふさわしい称号と言える。(元WBC世界スーパーフライ級王者)