新日本プロレス最大の祭典、1月4日東京ドーム大会のメインで争う2人の前哨戦がいよいよ幕を開けた。

IWGPヘビー級王者ケニー・オメガ、挑戦者棚橋弘至。棚橋が夏のG1クライマックスを制覇して挑戦権利証を獲得してから初めての対戦が、第4試合のタッグ戦で組まれた。

ゴング前から言い合い状態で、そのままエルボー合戦に。互いのプライドをぶつけ合う両雄の2カ月間にわたる長く熱いせめぎ合いが始まった瞬間、会場は一気にヒートアップした。

試合はオメガが「ゴールデン☆ラヴァーズ」を組む飯伏幸太との熟練の連係で、棚橋の相棒のデビット・フィンレーを追い詰める。棚橋もオメガの片翼の天使を回避して、ツイスト&シャウト、さらに連係技を断ち切るボディーアタックなど随所に見せ場を作った。

最後は9分47秒、オメガ組のゴールデン☆トリガーがフィンレーにさく裂し、勝負あり。オメガは棚橋の持参した挑戦権利証入りのブリーフケースを奪うと、「これがほしいのか」とばかりに挑発的にベルトを揺らしてみせた。

試合後には、自ら批判に言及。大阪大会に至るまでの地方などを巡るシリーズを欠場してきたことに対し、「いろいろな人に言われた、小さいショーには出ないのかと。でも、これは戦略でもあるんだ。チャレンジャーをしっかりと強い男に見せる作戦でもある」と狙いを述べた。「なのに、あの男は…。また黒星をつけられただろ。挑戦する男に見えるか、見えないだろ。このザマとはどういうことだ!」と憤った。

棚橋は「百聞は一見にしかず、じゃないけども、いない相手を戦うより、1回ケニーに触った方が分かることがたくさんある。何が分かったかっていうと、まだまだケニー・オメガっていうレスラーの引き出し、底はもっと奥が深いと思う。ケニーごと飲み込んで、包み込む、俺には武器がある。それを証明する」と豪語した。