ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25)の弟でWBC世界同級4位井上拓真(22=ともに大橋)が国内2組目の兄弟世界王者を目指すチャンスを得た。

12月30日、東京・大田区総合体育館で同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(24=タイ)と同暫定王座決定戦に臨むことが7日、発表された。同日都内で会見に出席した井上拓は「兄弟王者を目指して1発で取りたい」と力強く意気込みを示した。

会見に同席した所属ジムの大橋秀行会長からは「今、尚弥がWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)で3団体王者になろうとしている。拓真がWBCで王者になり、兄弟で4団体制覇という大きい夢に向けた大事な試合になります」と期待を寄せられた。

師匠からの熱いエールを耳にした井上拓は「まず世界王者になることが目標。兄弟で4団体制覇はさらに大きな夢。かなえるために必ず勝ちたいと思います」と目を輝かせた。

井上拓は9月に同級挑戦者決定戦でマーク・ジョン・ヤップ(六島)を判定で下して挑戦権を奪取。当初は同級1位ノルダン・ウバリ(フランス)と同級3位ルーシー・ウォーレン(米国)による同王座決定戦の勝者に挑戦する予定だった。しかし両者の交渉が6カ月近くまとまらなかったため、WBCからペッチとの暫定王座決定戦が承認された。