ボクシングWBA世界ミドル級王者に返り咲いた村田諒太(33=帝拳)が1日、都内のジムで練習を再開した。7月12日に大阪で、同級王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦に2回TKO勝ちで王座奪回した。シャドー、ミットなど約1時間ジムワークで汗を流した。

試合から約3週間を休んでからの始動となった。「1週間は興奮状態だった。反響は大きかったが、感動したという声が多かった。裏返しで半分は負けると思っていたのかと思った」と笑いながら振り返った。

その後に1週間函館へ家族で旅行した。「かわいい子供と家族で過ごし、このために頑張ってきたんだ」と実感したそうだ。毎日に朝のロードワーク後、長男晴道君とキャッチボール。「キャッチャーだから足腰が鍛えられた」とほほ笑んだ。

再戦はアッサン・エンダム(フランス)に続く2度目だった。「前回は練習がよくなく、自信なく、開き直ってリングに上がった」という。ブラント戦は「練習も自信を持ってでき、実力をつけ、実力を出して勝てた」と自画自賛した。

2回のTKOは相手パンチをブロックして、ワンツースリーと打ち込んだ。「やっと自分の形、ベースができた。ああいうシーンをいつでもつくれる可能性を高めていきたい。練習はうそをつくが、練習しないと試合では出せない。試合で出せる可能性を高めるよう磨きをかけたい」と話した。

ブラント陣営が再々戦の意向を示しているが、村田はWBAスーパー、WBCフランチャイズ、IBF王者サウル・アルバレス(メキシコ)と元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦の熱望は変わらない。「やりたい。今は焦りはないが、ファンが見たい、期待する試合をしたい」。浜田代表も「今回は持っているもの、出せるものを出せた。次は本番。声が掛かればと思っている」と期待した。