IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が新日本初進出となるロンドンで挑戦者鈴木みのる(51)を退け、3度目の防衛を果たした。

最初は鈴木のペースにはまった。すぐにグラウンド勝負に持ち込まれ、腕ひしぎ、三角絞めをかけられるが何とかロープに足をかけエスケープ。場外では鉄柵に投げつけられ、さらに花道でゴッチ式パイルドライバーを阻止すると、そのまま助走をつけた強烈なキックを打ち込まれた。

51歳とは思えない鈴木の一挙手一投足に大歓声があがる中、王者オカダのプライドにさらに火がついた。後ろから裸締めでしめ上げられ顔が紅潮していくが、そこから逃げだし、ラリアットをさく裂。手を離さずにもう一発決めると、両手を広げ雄たけびをあげた。さらにドロップキックで流れを引き寄せ、ひねりを加えた墓石式脳天くい打ちから、レインメーカーへ持ち込み3カウント奪取。30分超のシンプルかつ激しい戦いで、ロンドンっ子たちを熱狂させた。

今夏のG1クライマックス最終日だった8月12日に鈴木とタッグ戦で対戦し、完敗。その借りを返して防衛に成功した。オカダは「世界で1番あなたのことが嫌いですけど、ロンドンで試合ができてよかったです。サンキュー鈴木さん」と感謝を口にした。

すぐ次の標的も定まった。オカダが「次は誰に借りを返しましょうか…」と話したところで花道から登場したのは同年代の宿敵SANADA。リングにあがったSANADAは「次にみなさんに会うときは私がIWGPヘビー級チャンピオンです」と英語であいさつし、すぐに退場。残ったオカダは「SANADAさん、ごめんなさい。ここに戻ってくる時、まだ自分がチャンピオンです」と堂々と英語で宣言。4月のニューヨークに続き、夏のロンドンにもカネの雨を降らせたオカダが王座を死守する。