世界王者2世が1回KOでプロデビューを飾った。元WBA世界ライトフライ級王者山口圭司氏(45)の長男臣場(しんば=19=白井具志堅)が、バンチャー・ナティーキリカーン(タイ)と対戦。

初回早々に右ストレートで強烈なダウンを奪った。レフェリーはノーカウントでストップし、1回40秒TKO勝ちを収めた。

「左のフェイントから右クロスは想像していた。もっとかかるかと思ったが、うまく決まった。うれしいけど実感ない」。初の後楽園ホールで鮮やかデビューにも半信半疑のようだった。

4歳の時に両親が離婚し、東京から沖縄・那覇に移り住んだ。中1で「なんかやりたくなった」と、奥武山武道館のリングで見よう見まねでボクシングを始めた。本格指導を受けたことはほとんどない。

沖縄水産高ではインターハイ出場も「40戦ぐらいで負けが多い。自信はそんなに」と話す。「自然とプロにはなろうと思った。先輩がいたので」と白井具志堅ジムに入門した。

父は96年に世界再挑戦で王座を獲得し、初防衛している。V2失敗後、フライ級とスーパーフライ級でも世界挑戦している。手ほどきを受けたことはないが試合映像は見た。「派手に倒れていた。ああいう風にはなりません」と笑った。

プロ入りに驚いた父から電話で「絶対勝て」と励まされた。目標は父に並ぶ世界王者。まずはユース王者を目指す。